県美〜冬・その1

県美に企画展を見に行ってきました
今年度最後の企画展は「芸術の青森」
青森の風土が育んだ工芸や芸術作品の展示、面白かったです


特に明治から大正期のこぎん刺しは、今ハマっているものだけに興味深かったです
麻しか身に付けることができなかった農民が防寒を主な目的に刺したもの
衣服を丈夫にし、女性の唯一のおしゃれの表現方法だった
と、理解していたつもりでしたが
衣服の状態のこぎんを生で見たのは初めてで、ちょっと衝撃的でした
まさに、頭を後ろからハンマーで撃たれたような


刺していない状態の麻布、これさえも貴重なものだったというけど
一体これを何枚重ねて着て冬を過ごすのだろう
きっと、何枚重ねたって暖かくはならないにちがいない
暖房だって囲炉裏しかないだろうし
家だって隙間風どころか雪も入ってくるだろうし
そういう風土・環境から生まれたものがこぎん刺し
そんなことを色々思い巡らせていたら
自分の刺しているこぎん刺しというものを
もっともっと大事にしたくなりました


こぎん刺しとほぼ同時期に始まったらしい南部菱刺もたくさん展示してありました
こぎんは刺し目が奇数、1・3・5と刺していく縦長の模様が多い
南部菱刺しは刺し目が偶数、2・4・6と刺していく横長の模様が多い
こぎんが藍の布地にほぼ白一色で刺していくのに対し
南部菱刺しはカラフルな糸を用いて刺すので華やか


やっぱり、津軽は雪のイメージ
南部も雪が降らないわけではありませんが
やはり風土は津軽と全く違う
それが刺し子にも現れているのかもしれませんね




ナンシー関さんの消しゴム版画とか村上善男先生の作品もたくさん見られて大満足
佐野ぬいさんの人物画は初めて見ました(人物も青かったです)


常設展の秋のコレクションの時も思ったのですが
青森と版画って、なんかハマル気がします


志功さんの木版画もそうですけど、エッチングでも石版でも
版画で表現された青森はまさに青森、勝手にそんな風に感じました


そんなことを考えながら見ていたら
最後にもの凄いパワーの作品が待っていました


八戸市立港中学校養護学級在籍生徒制作の木版画
昭和50年度から52年度までの3作品


それがどんな作品なのか私が書いても
とっても陳腐なものになりそうなのであえて感想は書きません
ただ、私はしばらくその前から動くことができませんでした
都合よくベンチがあったので、しばし座って見させてもらいました



企画展だけで十分満足したので、もう帰ろうかな
と一瞬思いましたが、あおもり犬だけには会いたくて常設展に



あおもり犬の周りの雪は思ったほど溶けていませんでした
周りを壁に囲まれているので、日当たりが悪いですからね



雪が降っていたので
むしろ2週間前より寒そう


頭の上の帽子みたいなのは
なくなっていましたけど
頭は日当たりよさそうだもんね









結局は常設展も端折りながらも全部見てきました
タダだから(メンバーシップ特典で)、逆に申し訳なくて


企画展と常設展を両方見ると私の場合かなりの時間を要します
ということで、珍しく館内のカフェで食事をしました
それについては、後日改めて書きます