本屋のはなし

先週、土手町の百貨店に本屋さんが開店しました


ジュンク堂書店 弘前中三店


田舎者の私でも知っている大手書店です
連休最終日に行ってみました


百貨店の6・7階の2フロア、文房具売り場も合わせて800坪
人口18万の地方都市に不釣合いな感は否めず
一体どうやって出店に漕ぎ付けたものか不思議なくらいです


エレベーターを降りたところが文具売り場
何だか、ずいぶんきちんとした品揃えです
ガラスのショーケースには高そうな万年筆が並んでいて
壁にアルファベットで「MARUZEN


へっ!丸善?!


スミマセン、本屋の大きさよりそっちに驚いてしまいました
ジュンク堂丸善は業務提携しているのだとか
そうか、セット売り的な(←違うか?)
文具もずいぶん売れているようでした
弘前の人って、文具難民的なところがありますからね




80万冊の蔵書、天井までの高い棚、圧倒されます
(実は高い本棚はちょっと苦手)
お客さんがたくさんで、レジにも列ができていましたね
子供のためのスペースがあって満員って感じ


ありとあらゆるジャンルの本がたくさんあるのは間違いないのでしょうが
郷土の本のコーナーはまだまだ、これからといった感じかな


地域に関連した本はたくさんあって
前川建築の本、表紙買いしそうになりましたが
(↑表紙の写真が素敵だったので)
地元の出版社の本は見受けられなかったんですよね
見つけられなかっただけかな?


大手です、たくさん本があってすごいでしょ、ではなく
弘前の本屋さんになっていってくれたらうれしいです
これからに期待したいですね




この百貨店は現在、経営再建中
起爆剤」という言葉が過りました
帰りはエスカレータで各フロアを見ながら降りましたけど
シャワー効果が出ているかどうかは微妙ですね


さて、土手町の賑わい回復に本屋さんが一役買えるか?




見ただけで何も買わずに店を後にしました
店員さんに訊いたわけではないので確かではありませんが
どうやら、こちらでは電子マネーが使えないみたいだし
(私には大事なことなので)




次に向かった先は土手町のもう1軒の本屋さんです


こちらも大手の紀伊國屋書店
土手町がまだ賑やかかりし1980年代に出店しました
弘前にこんな大きな本屋さんができるなんて!
中学生(高校生かも)だった私もうれしかったのを記憶しています


土手町の人通りが減り、「中心商店街」というのが微妙な響きになっている今も
撤退することもなく営業を続けている紀伊國屋さんにはとても感謝しています


やはりというか、いつもの休日よりもお客さんが少ないようでした


出店から30年近くの時を経て
紀伊國屋さんはすっかり「弘前の本屋さん」です
地元の出版社の本も、地元関連の本も豊富です
美術書や写真のコーナーも地元出身の方の本がたくさん
今の時季の写真コーナーは桜特集
ピンク色の一角が目を引きます




買いそびれていたこの本を買って帰りました
紀伊國屋さんは電子マネーも使える!)



地元出身の方ですから
奈良さんの本はそりゃあたくさんあります
ネットショップで品切れのものも
ここには普通にありますよ
一応、わざとピンボケです






紀伊國屋さんが出店した頃は土手町にもう1軒地元の大きな本屋さんがあって
近くの百貨店にも1フロア使った大きな本屋さんがあったし
少し離れたところに、小さな本屋さんが2軒ありました
学校帰りの立ち読みも楽しかったな〜


その地元の本屋さんは1軒また1軒となくなっていきました
紀伊國屋さんの出店が原因だと言う人もいますけど
本離れとか、ネットショップで本が買えることの方が
より大きな原因のような気がします


私もネットショップはよくご利用します
田舎の書店は雑誌の入荷が少なくて
予約しないと買いぞびれるものもあるし、入荷も遅い
それに比べネット注文は確実で早く手に入れることができますから
でも、可能な限り地元で買うようにはしています


以前、読んだ新聞記事、学者先生が仰っていたのは
商店街や地方の百貨店は、地域で育てるつもりで
積極的に応援していかないとつぶれていく運命なのだと


中心商店街や老舗百貨店がなくてはならいことの意味を問われれば
明確な答えを出すことは私には難しいし
なくしたくない、という思いだけなら
それは単なるエゴかもしれません


子供の頃「街に行く」といえば、土手町に行くことで
そのときのワクワクした気持ちは今も鮮明に思い出すことができます
単なる買い物ではなく、一つの行事のようなものだったのかもしれません


「どてぶら」を死語にはしたくない、と言っても
若い人はもう知らないみたいだから、もう手遅れなのかしら・・・


郊外の大きなショッピングセンターとは違う楽しさがあるから
どてぶらはやめられないし、やめたくない


どてぶら推進委員会でも作っちゃおうかー



本屋さんの出店からずいぶん話が飛躍してしまいましたね・・・






あ、今更ですが、ご存じない方のために・・・
「どてぶら」は「土手町をぶらぶらと(ウインドー)ショッピングすること」です