能を体験する

青森もとうとう梅雨入りしました
夕べの花火のつどいは雨の中、強行したみたい
音が聞こえていましたけど
さすがに雨だと見に行く気にはならず
家の中で音だけ楽しみました




さて・・・


能と狂言のワークショップ第2回「能の体験」について
書いておきたいと思います
何となく落ち着かない日を過ごしていたせいか

あっという間に2週間も経っていました
すぐ書かないから記憶も薄れていますが


この日は第1回目で謡いを教わった高砂キリに
仕舞をつけるというもの
詩に抑揚付けて謡うというだけでもはやアヤシかった私
これに参加するかどうか、迷いましたが
こんな機会、次はないだろうと意を決して参加した訳です


ほんの一指し、にも及ばないような短いものですが
まぁ、まったく覚えられませんでした
想像以上で(以下か?)自分にがっかりしました


唯一、他の人よりいいんじゃないって思ったのは跪座の姿勢
跪座は弓道の基本姿勢の一つでもあるので
そりゃあ、初めての人よりはマシです


ご存じない方もいらっしゃるかもしれないので
簡単にご説明しますと
跪座というのは、つま先を立てた正座の姿勢のことです


立った状態から、跪座の姿勢になるには
右足を半足後ろに引いて、上体は直立のまま膝を曲げていきます
右膝は床につけますが、左膝は掌一枚分くらい浮かします
これを左膝を活かすというのですが、慣れるまでは大変です


弓道では跪座から立ち上がるときは、一度両膝を床につけ
腰を切ってから左膝を立てて立ちますが
仕舞はそのまま、しゃがんだときと逆の動きで立つので
完全にスクワットと同じです
それをこの日、何回繰り返したのか
数えませんでしたが、次の日はすっかり筋肉痛でした


能の動きの説明があったのですが


宇宙の中心が自分で、360度全てにベクトルを働かせる
前に進むときは、前方にだけに意識を集中する
後ろへ働く力に、前に行く力が勝つことで前に進む


・・・難しすぎてよく分かりません
でも能の仕舞は、ゆっくり動いているようで
もの凄く大変なんだってことは何となく体感できました
(こんな簡単な説明でいいのだろうか?)
素人には想像できないくらいの稽古の積み重ねの世界です




この日の参加者も前日に引き続き150人くらいでしょうか
2班に分かれて、能楽師の方に教えていただきました
この日は3人いらしていたのですが、正直なところ・・・
教えることの上手い下手って残酷なくらいはっきりしますね
プロの世界では教わる教えるというより
自ら学ぶ部分の方が大切だということろでしょうか
素人さんに教えるのは難しいのでしょうね


私の覚えが悪いのを講師のせいにするわけじゃないですよ
ほら、こうやって、はい、できるでしょう!
って感じだったんですよ、わかんねーって(苦笑)


女子高校生が、制服で参加していたのですが
跪座の説明がよくわからなかったらしく
すっかり立膝状態で、オバちゃんはびっくりしましたよ
いくら見せパンでも、それはちょっとね〜


私は両親とも戦前生まれ
だから躾もそれなりに厳しかったと思うのですが
立膝なんて、ジーパン姿でも叱られましたよ
今はそういうことを言う人がいなくなったのでしょうか
知らなければ、仕方ないのかもしれませんけどね
普段から、そういう姿勢が当たり前だと
スカートだろうが、着物だろうがそれが出てしまうものです
所作、って大事な躾だと思いますよ


以前、お人形のように可愛いモデルさんが
写真週刊誌で素破抜かれた写真
そのツーショットも衝撃でしたが
短パン姿で太股も露に、立膝だったのがより衝撃でした
行儀悪っ!ってその時は思いましたけど
今どきそんなこと誰も思わないのかな


あれ?なんだか話が変な方向に・・・閑話休題




俳優のことを「わざおぎ」といいます


前日の講義で、これを聞いたとき
遠い昔の記憶が走馬灯のように駆け巡って
懐かしいなぁと、一人でドキドキしました


俳も優も「わざおぎ」と読むのです
俳はおどけ、変わったことをして人を面白がらせる芸人
優は舞人、みやびやか、やさしい、やわらか、すぐれる
そんな意味を持つ漢字ですね


俳優は、人を楽しませる、優しくて、優れた人
なんて、勝手に解釈しています
もともと、芸事は神様に捧げるものですけどね


で、わざおぎの何が懐かしいのかというと
話は四半世紀も遡るのですが・・・




私の姉は、器用で発想が豊かな人です
若干、雑なのですが、面白いものを作ります
中高生のときには、友達とサークルを作って
同人誌のようなものに、漫画を描いていました
そのときのペンネームが・・・
2週間思い出そうと頑張ったのですが思い出せません
平仮名と漢字の組み合わせだったような・・・


で、ある日、小学生だった私に、こう持ちかけました
「あんたもペンネームつけたら?」


私がペンネームをつけたところで
それを使う場面は全くないのですが
二人で漢和辞典を開いて考えました
私は小学生ですから、大したものも浮かばず
結局姉がつけてくれました




優鸞−わざおぎ らん


何だか、宝塚の男役さんみたいな名前です
字の見た目のかっこよさと
「わざおぎ」という音の響きがとても気に入っていました


このペンネームが日の目を見ることはもちろんなかったし
もはや、姉も覚えていないと思うのですが
私にとっては、懐かしい思い出
わざおぎという言葉を聞いて久しぶりに思い出しました


鸞は伝説上の鳥のことだって、カッコイイね
姉はそう言ってましたけど
大人になってよく見れば・・・親鸞聖人の鸞でした
うち、日蓮宗ですけどね(関係ないか)


しかも、わざおぎが俳優のことだとは
この日、初めて知りましたが(笑)




今朝は雨が上がっています
今日は父の日ですね


お墓参りに行ってきます